ペロブスカイト型導電性–絶縁性酸化物コア–シェルナノ粒子を用いた大容量複合キャパシタの作製

摘要

我々は薄い粒界層において大容量を取得することのできる粒界絶縁型(BL)キャパシタに注目している。BL キャパシタは導電体–絶縁体のコア–シェル構造の集合体と見なすことができ、コアにペロブスカイト型構造の導電性酸化物、シェルに格子定数の近いペロブスカイト型絶縁性酸化物を用いれば、エピタキシャル界面を導入することができると考えられる。また、均一で粒界のない薄い絶縁層を導入できれば、高い有効比誘電率と高い絶縁破壊電場を併せ持つ複合キャパシタを作製することが可能になると考えられる。我々はこれまでSrRuO_3 (SR)を導電性酸化物コアに用いて、湿式法により絶縁性ペロブスカイト層での被覆を試みたが、SRの分解や絶縁性ペロブスカイト化合物の原料との反応による不純物の生成が確認された。そこで我々は SR に代わる導電材料として LaNiO_3(LN)を検討した。本研究では薄膜の研究例を参考に、コアに LN、シェルに(Bi_(0.5),K_(0.5))TiO_3(BKT)などを選定しコア－シェル粒子の合成を行い、複合キャパシタの作製を試みた。