カルバゾール－ベンゾフェノンデンドリマーを用いた高効率有機層全塗布型TADF有機EL素子

摘要

カルバゾールデンドリマーは外層に HOMO、内層にLUMOが局在化したような電子構造を有している(JACS, 2009, 131, 2244)。我々はこのポテンシャルの勾配に対してアクセプター分子を結合することで熱活性化遅延蛍光(TADF)を示すことを報告している(Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 5677)。TADFデンドリマーはニート膜状態で発光層として使用可能であり電子輸送層まで塗布した有機層全塗布型素子へも適用可能である(Chem. Commun. 2017, 53, 2439)。しかし、これまでのTADFデンドリマーのニート膜は発光量子収率(PLQY)が最大でも0.5程度に留まっており有機EL素子の発光層として用いた際の最大外部量子効率(EQEmax)は 10％以下であった。より高いPLQYを達成するためにカルバゾールデンドリマーにアクセプターとしてベンゾフェノンを導入し、凝集誘起発光増強(AIEE)を示すTADFデンドリマーを開発したので報告する。