プルシャンブルー類似体を用いた二次電池構造型熱発電セルの熱効率

摘要

近年、低温排熱を電力へ変換することに注目が集まっている。その利用方法として我々は、二次電池構造型熱発電セルを提唱し、その試作を進めてきている。二次電池構造型熱発電セルは、正極・負極に熱起電力係数α( = dV/dT)の異なる2種類の二次電池電極材料を用い、電極間に温度差を加えるのではなく、セル全体を加熱・冷却することで、正極と負極の熱起電力差により熱電圧を得る熱発電セルである。本研究では、コバルトプルシャンブルー類似体(Na_xCo[Fe(CN)_6]_(0.9)2.9H_2O (NCF90：dV/dT= 1.4mV/K))薄膜と負の熱起電力係数を有するマンガンプルシャンブルー類似体(Na_xMn[Fe(CN)_6]_（0.83)3.5H_2O (NMF83：dV/dT=-0.4～0mV/K))薄膜を正極・負極とし、電解液に17mol/kg NaClO_4水溶液を用いた熱発電セルを作製し、各温度変化(＝ΔT)の温度サイクルに対する熱発電の評価を行った。