直交偏光したフェムト秒レーザーパルス対照射で形成されるジルコニアセラミックスの表面周期構造; 構造周期の遅延依存性

摘要

イットリア安定化正方晶ジルコニア多結晶体(3mol％ Y2O3 添加ZrO2：3Y-TZP)は優れた機械的特性を有するセラミックスであり医療部材や機械部材に用いられる。3Y-TZP に形成されるレーザー誘起周期的表面構造(Laser-InducedPeriodic Surface Structure: LIPSS)は、偏光に平行で周期Λが波長λよりわずかに大きく形成機構に不明な点が多い[1]。前回、直交する偏光を持つパルス対照射を行い、時間的にパルスが重ならない遅延では先行するパルスの偏光に平行なLIPSS が形成されること、また二つのパルスが重なる遅延領域では、合成電場の偏光状態が周期構造に関係していることを報告した[2]。今回、異なる材料で報告されているように[3]、ダブルパルス照射で形成されるLIPSS の周期やアブレーション深さ、面積等に着目し解析を行った。