フェムト秒レーザー誘起表面周期構造で修飾したジルコニアセラミックスの曲げ強度と疲労限度評価

摘要

イットリア安定化正方晶ジルコニア多結晶体(3mol％ Yttria (Y_2O_3)-stabilized TetragonalZirconia (ZrO_2) Polycrystal：3Y-TZP)は優れた機械的特性を有しインプラント材料として用いられている。3Y-TZP に対しフェムト秒（fs）レーザー照射により誘起される表面微細周期構造（LIPSS：Laser inducedperiodic surface structure）を見出しインプラントへの応用研究を進めている。セラミックの課題の一つとして亀裂や欠陥による強度低下がある。前回、波長810 nm のfs レーザーでLIPSS 表面修飾を施した3Y-TZP の4 点曲げ強度評価を行い、ジルコニアインプラントの規格ISO13556:2015 で要請される強度800 MPa と比較した。今回、産業応用に適したYb 系レーザーの基本波とその高調波を用いてLIPSS 表面修飾した試験片に対して4 点曲げ強度評価を行い波長依存性等を調べた。さらに一部の試験片に対して、同規格で定められている疲労試験を行った結果を報告する。