公共空間におけるスマートデバイスを用いた音声入力のためのサウンドマスキングに関する検討

摘要

スマートデバイスの著しい普及と共に，デバイスへの入力を音声によって行う音声入力は，街中などの公共空間でも気軽に可能となった．しかし，現在の音声入力システムでは発話内容が周囲の第三者に筒抜けであり，ユーザーのスピーチプライバシーが保護されていない．この問題に対し，スピーチプライバシーを保護するための一手法である，サウンドマスキングに注目する．近年では，従来の定常雑音よりも人の声の特性に近いマスキング音のほうがマスキングの効果が高いことが報告されている．また，サウンドマスキングの実用性を考慮すると，公共空間においてマスキング音が周囲の迷惑とならず，環境に溶け込む音であることが望ましい．