固有ジョセフソン接合を用いたテラヘルツ波発振素子のアレー化に向けたBi-2212 メサのキャビティモードの検討

摘要

Bi_2Sr_2CaCu_2O_(8+δ） 固有ジョセフソン接合 (Bi-2212 IJJ)を用いたテラヘルツ波発振素子は発振周波数の可変性を有するが，単体素子の放射出力が数十μW と低い問題がある。そのため素子のアレーによる高出力化の研究がなされている[1]。一方，単体素子の放射パターンが素子内のキャビティモードにより変化するため[2]，アレー化により放射出力を有効に電力合成するには特定のキャビティモードを励起する必要がある。モード制御はバイアス電圧により可能なため，バイアス範囲の広い素子が望ましい。本研究では，Ⅰ−Ⅴ 特性のブランチ間の跳び電圧が高いアンダードープBi-2212 IJJ を用いた素子の発振特性からキャビティモードを検討した。