山形大学に導入した高感度加速器質量分析報告 Ⅱ

摘要

山形大学は2010年3月、試料中に含まれる炭素14 (14C)濃度の高感度質量分析を目的に、コンパクトAMSシステム (図1) 及びグラファイト作製システムを山形県上山市にある山形大学総合研究所に導入し、2011年2月に山形大学高感度加速器質量分析センター (YU-AMS) を設置した。さらに、2013年には自動グラファイト作製システムとイオン源を新たに導入し、それぞれ2台体制で運用を開始した。2015年には自動ガラス真空ラインを手動操作に切り替えることにより、貝殻や卵殻試料測定のためのリン酸処理に対応できるシステムを構築した。これらのYU-AMSシステムを用いて、考古・文化財試料から医学・薬学分野における生体試料に対して高精度な 14C 濃度測定を進めている。