Ce添加CaZrO_3結晶のシンチレーション特性

摘要

シンチレータとは蛍光体の一種であり、γ線やX線といった放射線との相互作用によって大量の光子を放出する物質である。工業的な応用としては医療用イメージングや資源探査などがあり、その需要は年々増加している。近年Ce添加CaHfO_3結晶がBi_4Ge_3O_(12)と同程度のシンチレーション発光量と短い減衰を示すことが報告され、この結果を受け我々はHfと同じ第4族元素であるZrを使用したCaZrO_3に着目した。Ce~(3+)イオンの5d-4f遷移による発光は減衰が速いため、現在実用化されているガンマ線検出用シンチレータ材料の大半には Ce が添加されている。今回我々はキセノンアークランプを搭載したFloating Zone炉を用いてCe添加CaZrO_3バルク結晶を作製し、シンチレーション特性の評価を行った。