相変化材料を用いた温度制御によるRPA 核酸検出

摘要

特定の配列を持つ核酸の検出は、感染症の診断、食品の安全分析や環境モニタリングなどの領域で重要な役割を果たしている。核酸の検出にはPCR法やLAMP法のような増幅法が用いられ、これらはThermal Cycler のような比較的電気消費量の大きな機器を必要とするが、このような検出はしばしば給電設備のないような地域でも必要とされる。そこで本研究は40°C付近の比較的低温での恒温増幅法であるリコンビナーゼポリマラーゼ増幅法（RPA) と、相変化物質（PCM)による温度制御法を組み合わせ、電気による温調がなくても高感度な核酸検出が可能なデバイスの作成を試みたので報告する。