トリフェニルアミンとベンゾチアジアゾール部位を含むドナー・アクセプター連結分子の単一成分薄膜太陽電池への応用

摘要

現在主流であるバルクヘテロ接合型太陽電池では、ドナー(D)・アクセプター(A) 相分離構造の精密な制御が必要であり、D-A 界面でのエネルギー緩和が光起電力ロスの原因となる。我々は、単一化合物のみの有機膜からなる薄膜太陽電池の可能性を検討するため、有機半導体材料の膜バルクでの光電荷分離挙動と分子構造の関係を検討している。これまでに分子内にD-A 連結構造を有し、光励起状態において大きなCT 性を持つDTDCPB(Figure 1) が、比較的良い性能を示すことを見出している。本研究では、同様にトリフェニルアミンとベンゾチアジアゾール部位を含み、チエノチオフェンで連結したDTDCPB-TT、およびベンゾチアジアゾール部位にローダニン分子を置換したDTERPB, DTRCNPB を合成し、単一成分薄膜太陽電池に応用した。