JAXA 6.5m×5.5m低速風洞における気流乱れ計測について

摘要

本研究では、JAXA 6.5m×5.5m低速風洞の気流の特性検討、維持管理を目的とした試験の一環として、各気流速度における風洞中心での気流乱れを計測した。試験実施にあたり、試験システム、試験手法を新たに構築し、電気的ノイズ対策についても新たに検討した。JAXA 6.5m×5.5m低速風洞では、送風機回転数、送風機動翼ピッチ角の組み合わせにより気流速度が決定されるため、同一の気流速度であっても、送風機動翼ピッチ角が異なれば、気流の乱れ度が異なると考えられる。そのため、気流速度とともに送風機動翼ピッチ角も試験パラメータとして、気流乱れ計測を行った。試験結果より、気流乱れの基本特性を把握した。気流速度10m/s～65m/sにおいて、主流方向の気流の乱れ度は0.19%～0.28%、主流に垂直な方向の気流の乱れ度は0.30%～0.37%であった。また、送風機動翼ピッチ角を変化させた場合の、気流乱れの変化の傾向から、適切な送風機動翼ピッチ角設定について検討した。風洞運用まで考慮すると、気流速度10m/s～65m/sにおいては、標準的な送風機動翼開度は90%とすべきと考えられる。