微生物燃料電池の下水処理への適用可能性

摘要

現在、日本の下水道分野において使われる電力は年間消費電力量の約0.7%にもなり、その半分は処理場 での水処理（曝気）に用いられている。一方、微生物 燃料電池(Microbial Fuel Cell：MFC)は廃水を浄化 すると同時に電力も生成する能力を有する。しかし、現 時点ではMFCは小さな起電力（IV弱）、高価な白金触 媒の使用などのために、産業用の電池としての使用は 課題が多い。そこで本研究ではMFCを省エネルギー型 の排水処理装置として位置づけ、下水処理への適用性 を検討した。具体的には、活性汚泥の併用を前提とし、 活性汚泥への曝気時間の短縮（エネルギー削減）の効 果を検討した。また、接像法（直列•並列)を電カ•COD 除去率·汚泥収支の点で検討した。