生下水から活性汚泥法下水処理施設を効率的に立ち上げるための運転方法の研究

摘要

日本には約2,200 箇所もの下水処理施設が存在し，毎年複数の処理施設が新たに運転を開始している。単なる新規施設の運転始のみならず地震が多発する日本においては，処理場本体や下水管の破 損により既存施設の再立ち上げが必要となる機会も想定され，效率 的にスタートアップする手法の整備は重要である。立ち上げの際に 他の処理施设の余剰汚泥を種汚泥として用いる手法も存在するが， 処理施設の規模によっては手間ゃコスト等の面から現実的ではな い。そのため種汚泥を用いず流入下水からの活性汚泥の育成が必要 であるが，その効率的なスタートアップ手法は未だに確立していな い。そこで本研究では新規建設されたM下水処理場の水処理施設 を用いて，下水の流入条件を異なる5パターン設定し立ち上げ運転 を行うことにより,種汚泥を用いず流入下水から効率的に活性汚泥 を育成する運転方法の解明を目的とし活性汚泥の育成状況や性状 の変化および処理水質にっいて解析を行った。