Identification of plant macrofossils from landslide deposits in the northwestern side of Mount Mitou, the upper Tama River, west Tokyo

摘要

多摩川上流､三頭山北西面の谷底に分布する大規模地すべりの二次地すべり堆積物(標高890m)から8点の植物化石を採取した｡それらの切片(横断面､接線断面､放射断面)を顕微鏡観察し､細胞組織の特徴に基づき樹種の同定を行った｡この結果､ 3点がブナ属(Fagus)に､ 4点がモクレン属(Magnolia)に､ 1点がノブドウ属(Ampelopsis)に同定された｡ [14]C年代測定によると､これらの植物化石は西暦1469～1794年の期間中に枯死したと考えられる｡室町時代～江戸時代後期ころ,三頭山北西面には現在みられるものと同種の植物が生育していたと考えられる｡