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【2h】

多地点接続リアルタイム型アプリケーションに適用する分散処理型通信方式

机译:应用于多点实时应用的分布式处理通信方法

摘要

仮想化技術の進展によって,様々なアプリケーションがネットワーク内のクラウド上で動作可能となるが,広域なネットワークを介して多地点間通信を行うリアルタイム型アプリケーションでは,低遅延なエンド‐エンド通信を実現する通信技術の確立が課題である.本研究は,ネットワーク上で動作するアプリケーションを通信サービスとして提供する場合のエンド‐エンドの通信遅延時間を低減することを目的とする分散処理型通信方式である.提案方式は,ネットワーク内でユーザ端末と近いロケーションに配備された複数のサーバを用いてアプリケーションを分散処理をする.ユーザ端末は複数のサーバからエンド‐エンドの遅延時間を最小化するサーバを選択し,分散処理する複数のサーバ間では処理結果の同報通信を行う.ユーザ端末とネットワーク内に配備されたサーバとの通信は,ユーザ端末ごとにサーバとの通信遅延時間が異なるため,実際のイベント発生順序とネットワークを介したサーバへのイベント到着順序が異なる可能性があり,イベントの処理順序を補正する仕組みが必要となる.分散処理する各サーバでは,イベントの順序性を再現するために,現在時刻からイベントの順序性を再現可能な時刻まで時間を遅らせた仮想時刻をあらかじめ計算し,仮想時刻上でイベントの順序性を再現する.分散処理をするサーバでは,各ユーザ端末との通信遅延時間を事前に測定しておき,ユーザ端末毎の通信遅延時間に応じた待ち合わせを行うことで,仮想時刻上でイベント発生順序を再現する.ネットワーク内の複数のサーバから,エンド‐エンドの通信遅延時間を最小化するサーバを決定するためのサーバ選択問題として,現在時刻と仮想時刻の差であるユーザ端末補正時間を最小化する.サーバ選択問題についての計算複雑度の評価し,本問題はNP 困難であることを示す.サーバ選択問題を線形計画問題として定式化し,エンド‐エンドの通信遅延時間を最小化する仮想時刻と各ユーザ端末が選択するサーバを線形計画問題を解くことで決定する.提案方式の性能評価として,サーバ間ネットワークトポロジおよびネットワーク上のサーバ配備箇所によるエンド‐エンドの通信遅延時間を評価する.サーバ間ネットワークトポロジの評価では,同一のサーバ配備箇所で異なるリンクトポロジで改善効果を比較し,フルメッシュ型やリング型のようにサーバ間が,最短距離に近い距離のリンクを持っているトポロジのほうが,遅延特性の改善効果が高いことを示す.また,サーバ配備箇所としては,よりユーザに近いロケーションにサーバを配備すると遅延特性の改善効果が高いことを示す.サーバ選択問題の評価としては,特定エリア内に一様分布した200 台のユーザ端末について,本研究で定式化した最適化問題を解くことで,遅延時間を最小にするサーバが選択されることを示す.実際のネットワークトポロジに近い条件における特性改善効果の確認として,日本のバックボーンネットワークの典型的なモデルを用いて,全国に分散した複数のサーバで分散処理する場合と1台のサーバで集中処理する場合を比較し,東京のサーバで集中処理する場合との比較では約25 %の改善効果,集中処理型で最も遅延特性のよい和歌山のサーバで集中処理する場合との比較では約2 %の改善効果があること示す.提案方式の第一の拡張として,通信遅延時間に許容最大値のあるアプリケーションへの適用を考慮する.本ケースへの適用として,遅延許容時間を導入する.定式化した最適化問題を拡張し,第一目的関数として遅延許容時間を超えてアプリケーションが利用できないユーザ端末数,第二目的関数をユーザ端末補正時間として,これらを最小化する遅延許容時間を考慮したサーバ選択問題として定式化する.提案方式の第一の拡張に関する性能評価として,遅延許容時間を変化させた場合の遅延許容時間を越えたユーザ端末数とユーザ端末補正時間について,集中処理型と分散処理型の比較を行う.これらの評価から,提案方式は,第一の拡張によって,遅延許容時間を超えて利用できないユーザ端末数が集中処理型よりも削減され,ユーザ端末補正時間も短いことから,より多くのユーザが利用可能で,かつ,遅延特性に優れた通信方式であることを示す.提案方式の第二の拡張として,ネットワーク輻輳時の遅延変動を考慮する.本ケースへの適用として,第一の拡張を行った最適化問題のユーザ端末とサーバ間の通信遅延時間に遅延変動率を導入し,遅延変動時の最大遅延時間をユーザ端末とサーバ間の遅延時間として扱う.また,前述の最大遅延時間について,全ユーザ総和を最適化問題の第三の目的関数として導入し,遅延変動を最小化するサーバ選択問題として定式化する. 定式化した最適化問題は,エンド‐エンドの通信遅延時間を最小化した上で,各ユーザ端末が複数のサーバから遅延時間の最も少ないサーバを選択する.遅延時間と伝送距離が比例する条件においては,定式化した最適化問題を解くことで,ユーザ端末が複数のサーバと接続可能なネットワークにおいて,より伝送距離の短いサーバ間を選択するネットワーク設計法しても利用可能である.提案方式の第二の拡張に関する性能評価として,前述の日本のバックボーンネットワークの典型的なモデルの関東エリアノードをサーバが配備されている拠点として,関東エリア内に200 台のユーザ端末が一様分布した条件で評価する.ネットワーク輻輳時の遅延時間の評価として,ユーザ端末が選択するサーバを,提案方式に第二の拡張を行った設計法と,拡張を行わない設計法で比較評価を行う.提案方式に第二の拡張を行った設計法は,ネットワークが輻輳してユーザ端末と特定サーバとの遅延時間が増加した場合に,許容遅延時間を越えるユーザ端末数が少なく,ネットワーク輻輳を考慮したユーザ端末が選択するサーバの決定が可能であることを示す.提案方式の第三の拡張として,時間経過とともにユーザ端末が適宜追加されるアプリケーションへの適用を考慮した逐次参加型のユーザ参加方法を導入する.逐次参加型のユーザ参加方法では,最適化問題の決定変数として扱っていたリンクの利用有無とサーバの利用有無を表すパラメータを,利用中ユーザ端末については,決定した値として扱うことで,選択するサーバを変更しない制約条件を加味したサーバ選択問題として拡張する.また,新規ユーザ参加時の待ち時間を短縮するユーザ端末参加方法として,計算対象を新規ユーザ端末に限定することで,計算量を削減する.第三の拡張に関する性能評価として,遅延特性と計算量について評価を行う.逐次参加型では,ユーザ端末が同一の配備箇所でも参加する順序によりユーザ端末補正時間が変わるものの,逐次参加型のいずれのパターンにおいても,集中処理型より低い値となっている.これらの結果から,逐次参加型でユーザ端末が参加する利用形態のアプリケーションにおいても,分散処理型通信方式の有効性を確認する.ユーザ端末がアプリケーションを利用開始する際の待ち時間の評価として,ユーザ参加時間の短縮化の拡張を行った参加方法について,計算時間の短縮効果について評価を行う.逐次参加型は,利用中ユーザ端末が選択するサーバを既に利用中のサーバを選択する制約条件としているため,サーバを選択するための計算量が削減され,一斉参加型と比較し1/100 以下に処理時間が短くなっており,ユーザ端末の待ち時間が短縮化されたユーザ参加方法であることを示す.また,ユーザ参加時間を短縮化したユーザ参加方法の導入により,さらに70 %以上計算時間が削減されることを示す.前述の評価結果から,提案する分散処理型通信方式は,許容遅延時間のあるアプリケーションでは利用ユーザ端末数を最大化することが可能で,低遅延なエンド‐エンド通信を幅広いユーザに提供可能な通信方式である.また,ネットワーク輻輳や逐次参加型のユーザ参加方法についても提案方式の拡張を行い,様々なアプリケーションや通信環境への適用が可能となる.仮想化技術の進展とともに,ネットワーク内に様々なアプリケーションを配備する環境において,本研究により遅延特性に優れた通信環境を実現することが可能となり,より簡易にアプリケーションを利用するネットワークサービスの実現が期待される.
机译:None

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