首页>
外文OA文献
>Micrometeorological and ecological analyses of energy budget and CO2 flux over a C3 and C4 co-existing grassland under global warming conditions
【2h】
Micrometeorological and ecological analyses of energy budget and CO2 flux over a C3 and C4 co-existing grassland under global warming conditions
本研究は,最近世界的に広く普及してきた渦相関法を用いて,日本のC3・C4混生草原でのエネルギー・水・CO2フラックスを長期連続測定し,そのデータを微気象生態学的に解析したものである。実験地は筑波大学陸域環境研究センターにある微気象観測用の実験圃場である。この草原には約50種の草が生えており,優占植物はC3植物ではキク科のセイタカアウダチソウ(Solidago alitissima)イネ科のオニウシノケグサ(Festuca arundinaceae)で,C4植物はいずれもイネ科のチガヤ(Imperata cylindrical)とススキ(Miscanthus sinensis)である。最大草丈と最大LAIはそれぞれ1.0mと5.5になった。 渦相関法で測定した顕熱(H)と潜熱(LE)の合計と有効エネルギーQn(正味放射と土壌熱流量の差)が良く一致した(H+LE=1.01QnWm-2, n=2251, r2=0.90)。更に,渦相関法で測定した潜熱とLysimeterで測定した潜熱も非常に良く一致した[LE(EC)=1.00LE(Lysimeter), n=2193, r2=0.85]。従って,ここで用いた渦相関法で得られたフラックスは十分な精度があることが確かめられた。 QnのLEとHの分配パターンは,鉛直の顕熱移流によってかなり影響を受けていた。Bowen比β(=H/LE)は,朝にピークを示し,午後に減少し,夕方には負になった。Qnの中の潜熱の割合(EF)は,βと逆のパターンを示した。午前中(9:00-14:00 JST)のBowen比は,0.3~1.2の間で季節変化した。EFは,50~90%の間で季節変化した。夜間の蒸発散は非常に小さく,主にHによって決まっていた。LEの最大値は約540Wm-2(DOY213,蒸発散速度ETの0.79mmh-1に相当)であった。1日の積算潜熱の最大値は16.28MJm-2d-1(DOY231,ETの6.7mmd-1に相当)となった。 Decoupling coeffecient(Ωfactor)を分析した結果,午前中の蒸発散は有効エネルギーによって決定され,午後の蒸発散は飽差と気孔によって調節されていた。また,鉛直の顕熱移流が蒸発散にも大きく貢献した。正午のΩ値は,一般に0.7以上であった。Ωの値は成長が進むにつれて,次第に減少した。 昼問のCO2フラックス(Fc)のピーク値は,7.3(DOY304)~56.7(DOY23)μmol m-2s-1の間で季節変化した。夜間のFc値は-1.3~-21.6μmom -2d-1の間で変化した。晴れた日に,1日の積算CO2フラックスの最大値は,0.14±0.20~0.75±0.36(mean±SD)mol m-2d-1の間で季節変化した。この草原は成長期の大部分の時期にCO2のsink(吸収源)になっていた。 Fcを制御する環境要因の中で光強度PPFDが最も重要な要因であった。両者の関係は,直角双曲線で明瞭に表わせた(決定係数は0.7を超えた)。回帰を行った結果,量子収率あるいは光利用効率αは0.033±0.002SD mol CO2 (mol photon)-1,年間の平均暗呼吸速度Rdは-6.78μmol m-2s-1,キャノピーの光補償点LCP(つまり,Fc=0でのPPFDの値)は,140~250μmol m-2s-1の間で季節変化した。平均LCPは約210μmol m-2s-1であった。さらに,この草原には,FcはPPFDが2000μmol m-2s-1に達しても光飽和していなかった。しかしながら,このFc-PPFDの関係は,生長の季節・温度・飽差によって変わった。夜間のFcは気温に対して指数関数的に増加し,その温度係数(Q10)は約4.9であった。 キャノピーのconductance (gc)と水利用効率(WUE)のいずれも朝にピークを示して,午後には減少した。これは,Bowen比やΩfactorと同様の日変化パターンであった。午後には,気温が高くなるために,飽差も大きくなり,さらに風も強くなるので,気孔が部分的に閉鎖した一方で,土壌からの蒸発が増えたので,WUE減少した。正午のキャノピーconductanceは10~30mms-1の間で季節変化した。正午のWUE値は,12.0~18.7mgCO2g-1H2Oまでの間で変動した。WUEは低いPPFDに対して非常に敏感であったが,飽差が増えるとともにWUEも減少する傾向も示した。 The eddy correlation (EC) technique was employed to measure the sensible heat (H) and latent heat (LE) flux densities and the net canopy CO2 flux density (Fc) over a humid C3/C4 co-occurring grassland (ca. 20000 m2) located in the Environmental Research Center (ERC), University of Tsukuba, Japan for most of the 1999 growing season (DOY 140 to 346). ...
展开▼