乳癌術後乳房再建の現状と課題-第26回日本乳癌学会班研究「乳房再建の安全性と予後に関する研究」全国アンケート調査-

摘要

近年，乳癌診療の一部として乳房再建術が普及している.乳房再建の実態と周術期治療への影響を検討するため，大規模アンケート調査を行った.429施設より回答が得られ，乳房再建を提供し ている施設は73であった.そのうち，自家組織を用いた乳房再建は75，遊離皮弁を用いた乳房 再建は48の施設で実施されており，それぞれ形成外科医が2名以上，3名以上所属している施 設が多かった.乳房再建が周術期治療に及ぼす影響は，化学療法は「変更なし」と回答した施設 が94であったのに対し，放射線療法は15が「変更する」とし，適応症例や照射範囲を縮小す る傾向があった.高度な技術を要する乳房再建術は複数の形成外科医を必要とし，周術期治療の 変化が予後に与える影響を評価する必要がある.