モルヒネとオピオイドの最新知識

摘要

がんの痛みは，増大したがみが痛みの受容器である侵害受容器に機械的刺激を加えることや∴がん及びがんによって誘導された炎症細胞から放出される様々な化学物質が侵害受容器を刺激することで発生する。 NSAIDsでは速断できない痛みの入力があるaとに加え，持続的な痛みの入力が痛みの伝達路に感作（sensitization）とよばれる痛み闇値の低下を起こすことから，より強い痛みが広い範囲に発生するようになる。 モルヒネをはじめとするオピオイドは背馳や視床，大脳にあるオピオイド受容体に結合して痛みの伝達を遮断する。 がんの痛みはWHO3段階除痛ラダーに従い，痛みの程度に合わせて非オピオイドとオピオイドを併用して治療するが，オピオイドは有効限界がないので患者ごとに必要な量を滴定（タイトレーション）することが重要である。 オピオイドの副作用には予防的に対処し，オピオイドで除痛困難な痛みに対しては適切な鎮痛補助薬を併用することも重要である。