鉄量の多いAl-Mg-Si系合金壁材の機械的性質に及ばずけい素およびマンガン量の影響

摘要

鉄量の多いAl-Mg－Si系合金板材について，BH性および曲げ性に及ぼすけい素およびマンガン添加量の影響を調査した結果,以下の結論を得た。 （1）Al-1.0mass％Si-0.5mass％Mgr-0.1mass％Mn-1.0mass％Fe材をベースとして，1.2mass％Si材,あるいは0.3mass％Mn材のBH性は0.1mass％Fe材（比較材と同等まで向上した。 ただし，どちらも曲げ性が低下した。 （2）マンガン量の増加によるBH性の向上は，Al－Fe（Mn）－Si化合物のα化率上昇に伴う，母相への同溶けい素量の増加によると考えられた。 （3）けい素量あるいはマンガン量の増加による曲げ性の低下は，固溶けい素量の増加によってせん断帯の形成が容易になったことが主因と推測された。 さらにマンガン量増加の場合には，Al-Fe（Mn）－Si化合物の増加も曲げ性低下の一因と考えられた