フラクタル次元を変化したWeierstrass-Mandelbrot関数を用いた聴覚領域におけるメンバシップ関数作成

摘要

環境影響評価は騒音レベルと聴覚特徴を加味した総合の関係として評価すべきである．騒音レベルは周波数特性に重み付けした騒音計で測定され，その後，L_(Aeq)やL_(50)を求める．本研究では，聴覚特性の評価において，騒音波形の複雑さに着目した方法を提案する．その複雑さは波形の自己相似性の要素であるフラクタル次元を用いて計算する．そのフラクタル次元Dは1.0 ≤ D ≤ 2.0の範囲内にある非整数値である．フラクタル次元D ＝ 1.0は一番単純な波形を示し，複雑さでいえば一番低い値を示し，自己相似性で評価すれば，一番高い値を示す．Weierstrass-Mandelbrot関数を用いて，フラクタル次元1.1から2.0の間を0.1ごとに変化する10個の信号を生成し，試験信号とD＝1.5の参照信号との聴覚比較の試験を行った結果，複雑さはフラクタル次元に依存した．