進化していく車の安全性能：脳疾患を有する者の自動車運転状況と交通事故状況－国立身体障害者リハビリテーションセンター自動車訓練終了者について

摘要

1960（昭和35）年に制定された道路交通法によって，身体障害者に対する運転免許の取得の道が開かれ，1961（昭和36）年から国立身体障害者更生指導所（当センターの前々身）において，わが国で最初の自動車訓練が開始されて以来，2001年12月末，身体障害者の運転免許取得者は，明らかになっている者（補聴器，車両限定，義手·義足め免許条件付与人員）だけで全国で約23.5万人に達している．このような状況で，特に脳疾患を有する者の自動車運転状況については，岡本ら，西田らが運転継続者の特徴や片麻痺患者の運転許可基準などを報告しているが，運転実態についての調査報告が少ないのが現状である．そこで，当センターで自動車訓練を受けた脳疾患を有する者を対象に，訓練終了後の運転実施状況，交通事故の発生状況などについてアンケート調査を実施した．