ラット頭蓋冠由来骨芽細胞のALPase活性を促進する硫酸化ヒアルロン酸の効果

摘要

硫酸化多糖であるヘパリン（Heparin；Hep）やへパラン硫酸（Heparan sulfate；HS）はheparin-binding growth factors（HBGFs）と複合体を形成し，組織が損傷を受けた場合，速やかにHBCFsを放出して，周辺の組織を活性化することが明らかとなっている．HBGFsは，骨の修復にも重要な役割を果たしていることが知られ，骨芽細胞の増殖や分化の過程でオートクライン，パラクライン的に骨の形成や吸収を制御する．病気やケガなどで骨組織が損傷した場合，修復するために人工骨や人工関節などの人工材料が用いられている．しかし，これらの人工材料は様々な問題があり，近年組織工学的手法を用いた骨再生が期待されている．この手法を用いて骨組織の再生に利用される細胞は，骨組織を形成する骨芽細胞である．