志賀2号機における新技術の紹介：国内最大級·最新鋭の原子力発電設備

摘要

当社は，長期的な展望に立ち，電力の安定供給確保，供給コストの低減，環境保全の観点から原子力をはじめとする電源の多様化を進めてきた。 特にエネルギーセキュリティーの確保，地球温暖化防止のための二酸化炭素の低減に，原子力は大きな役割を果たす電源であると考えている。 志賀2号機は，これを踏まえつつ供給安定性や経済性などを総合的に勘案し，当社で初めて改良型沸騰水型軽水炉(ABWR: Advanced Boiling Water Reactor)を採用した原子力発電所であり，ABWRとしては東京電力柏崎刈羽6，7号機，中部電力浜岡5号機に続き国内4番目である。 志賀2号機の建設は，平成11年8月の着工から約80ヶ月の建設期間を経て，平成18年3月15日に営業運転を開始した。 志賀2号機の誕生により志賀原子力発電所の総電気出力は1,898MWとなった。 ここでは，ABWRの代表的な技術のほか，柏崎刈羽6，7号機以降の技術進歩を踏まえ志賀2号機で採用した主な新技術について紹介する（図1）。