眼球運動に関連する脳波成分に関する研究

摘要

近年，脳波インタフェースを呼ばれるインタフェースの研究が盛んに行われている．多くの脳波インタフェースの入力信号は，脳波の周波数成分であるものが大半である．しかしながら，我々はこれまで波形データを入力する脳波インタフェースの構築を目指している．この際に問題となるのは，どのように単一試行時の脳波波形を解析するかである．我々は独立成分解析と呼ばれる，単一試行時の脳波を解析することのできる信号処理方法を利用して解析することを試みている従来の研究において，独立成分解析によって眼球運動に関連した脳波を抽出できることと，眼球運動に関連する脳波を抽出するた釧こ適切な独立成分解析のアルゴリズムと窓幅を明らかにした．しかしながら，従来の研究で使用した5種類のアルゴリズムの内，FastICA，JADE，NG-FICAが使用している独立の定義は尖度に基づいたものであった．また，従来の研究で使用しているAMUSEのアルゴリズムにおいては，その発展アルゴリズムとしてSOBIが存在していた．よって，本研究においては，尖虔ではなく，相互情報量を独立の定義としているMILCAと，AMUSEの発展アルゴリズムであるSOBIを加えて解析を行う．また，前回の研究においては，窓幅を狭くしていくほど眼球運動に関連している脳波の抽出率が向上した．この時，使用した最小の窓幅は眼球運動349ms前から眼球運動開始時刻0msまでの幅であった．本論文では，この窓幅をさらに小さくし抽出率を確認する．最後に，そこで本論文では，眼球運動に関連する脳波を抽出するために必要な電極の数を確認する．これは，インタフェースを構築するためには，際限なく電極を頭部に添付することができないためである．