ニューラルネットワークを用いた胸部X線画像の異常検出システム

摘要

ニューラルネットワークを用いて，胸部X線画像から異常を検出する医療診断支援システムを構築し，その性能を調査した．2次元データの胸部X線画像からの1次元ラインパターンのサンプリングを行い，ニューラルネットワークへの入力パターンとした．入力パターンの前処理には，FFT（高速フーリエ変換）を適用した．その結果，学習パターンに対してネットワークは収束し，1次元パターンによるサンプリングとFFTによる前処理との組み合わせが，胸部X線画像における異常の有無を正しく分類する上で有効であることが分かった．また，ネットワークの学習回数を適切に設定することにより，未学習パターンの中の異常を確実に検出できるネットワークが実現された．故に，医療診断支援システムを実現する一方式としてのニューラルネットワークの有効性を示すことができた．