原子発光検出器付ガスクロマトグラフ（GC－AED）を用いたネギ類，キノコ類中の塩素含有農薬の分析

摘要

キャブタン，カプタホール，エンドスルファンなど分子内に塩素および硫黄を含有する農薬は，GC－ECDあるいはSフィルターを装着したGC－FPDを用いた測定が多く利用されている．しかし，ネギ類，キノコ類では成分中に硫化アリル，レンチオニンなどの硫黄化合物が多く含まれていることか，ECDあるいはFPDを用いた分析は困難とされてきた．そのため，凍結－リン酸添加磨砕法や電子レンジを利用した前処理法3）などが考案されたが，これらは処理に時間を要したり，水分の少ない試料には適さないなどの制約があった．