CFAR処理を用いたドップラーセンサによる瞬き検出性能の向上

摘要

生体信号の一つである瞬きは，眠気や集中度などを表す．非接触での瞬き検出法の一つに，ドップラーセンサを用いた瞬き検出法がある．ドップラーセンサを用いた検出法は，電波によってカメラを用いずに観測可能だが，表面積の小さな瞼からの反射波は信号レベルが低いため，検出精度の向上に課題がある．我々は機械学習に基づく瞬き検出法を嘩案し，高精度な瞬き検出を実現したが，被験者や環境ごとに瞬き識別のための特徴量を学習する必要があった．本稿では，所望信号検出手法めひとつ，constant false alarm rate （CFAR）処理を瞬き信号検出に適用することで，機械学習が不要な高精度な瞬き検出法を提案する．CFAR 処理の適用により，身体の揺らぎや雑音にロバストな検出が可能となり，検出確率を改善する．さらに，瞬き信号波形の特徴に基づく瞬き判定アルゴリズムにより誤検出を低減する．3 種類の評価実験を行い，約99 の高精度な瞬き検出結果を達成した．