位相制御型マグネトロンの開発研究

摘要

静止衛星軌道で太陽光発電し，その電力を地上へと送電する宇宙太陽発電所SPSにはマイクロ波無線電力伝送技術が重要である．本論文では民生用に用いられているマグネトロンをマイクロ波送電器として利用するために開発した，注入同期とPLLフィードバックを組み合わせた位相制御型マグネトロンについて述べる．位相制御型マグネトロンは民生用マグネトロンの周波数ロックと位相ロックが可能で，マイクロ波送電のみならず，周波数安定性が求められる通信等への応用も可能である．複数個の位相制御マグネトロンを用いればアクティブフェーズドアレーを構築し，電気的なビーム方向制御が可能となる．