自動車のセンサ：エアバッグシステムを支えるセンサ技術

摘要

わが国の交通事故死者数は，関係各方面の努力もあり，5年連続1万人を割り続けているが，依然として多くの尊い命が交通事故によって失われている．また，交通事故件数や負傷者数で昇ると一貫して増加しており，1999年度より年間100万人を上回っている（図1）．今後，高齢化の進展や自動車保有台数の増加などにより，さらなる交通事故の増加が懸念される．このような背景の中，衝突安全性はエレクトロニクス技術の進歩に伴い，ここ数年間で格段の進歩を遂げている．衝突時における乗員保護装置としてはシートベルトとエアバッグが現在考えられる最善の技術であるが，これを具現化するためにさまざまな基盤技術の進展が成し遂げられている．本稿では，エアバッグセンシング技術の中核となる各種センサについてその概要を紹介する．