金属Vベルトを用いたCVTの動力損失低減

摘要

第三の石油危機＝石油価格の高騰と地球温暖化効果ガス(CO{sub}2)の削減のため，車に対する燃費低減への要求はますます高まってきた．その解決の一手段として，乗用車ではCVTの適用が最近注目されている．負荷が大きく変動する車では，最高熱効率が35％以上にも達する（ガソリン）エンジンでも，最も良い条件で運転することは不可能である．実用面での効率はこれよりはるかに低い．加えて，有段変速機では，変動する負荷に対して，熱効率の面から最適回転数とははるかに異なった領域でエンジンを運転することになる．すなわち，そのためのCVTである．乗用車ではこのCVTの搭載を謳った宣伝が増えている．本稿では，金属Vベルトを用いたCVTの伝動効率の一層の向上を目指し，その動力損失機構と損失低減について考えてみる．