食中毒原因物質としての小型球形ウイルスの検出法

摘要

ヒトに感染して下痢，嘔吐，頭痛などをひきおこす主たる病因ウイルスとして，表1に示した6種が明らかになっているり．ウイルス性下痢症は，疾患としてはかなり以前から存在したものの，1970年代にその病原体が発見されたという意味で新興再興感染症の範疇に含まれる疾患である．6種現のウイルスの中で主として飲食を介して「食中毒」の原因となっているのがシャドーで示した3種である、日本の行政的振り分けでいえば，残りの3種は「経口伝染病 工卧颔Εぅ毳工趣いà毪猡筏欷胜い工伽平U口感染症の病原休として同じ対応が求められる．我が国のウイルス性「食中毒」は，3種のウイルスの中でも小型球形ウイルス（Small roundstructured virus，SRSV）によるものが圧倒的に多数を占める．アイチウイルスやアストロウイルスによるものは少数にとどまっている．本稿ではウイルス性食中毒の主たる原因となっているSRSVの検出法について標準法として定着しつつある電子鰯徽鏡法とPCR法について解説する．