車両運動性能

摘要

2003年の車両運動性能の研究動向は，ここ数年の継続的なテーマの深掘りが進められているとともに，他の分野へと幅を広げた研究が増えてきている．自動車は人間が運転するものであり，人間がどのように感じるかが重要である．特に，自動運転などの運転支援や，限界性能の予防安全においては人間特性に関する研究が活発化している．一方で基本的な運動性能の向上に関する研究も行われている．車両運動性能はタイヤの特性をいかに取り扱うかが重要である．シミュレーション技術の向上のため，非線形性や動特性などタイヤ特性をより精度良く表現しようとする試みが行われている．また最近は運動性能の制御に関する研究はより高い性能を目指し，その幅を広げつつある．車両安定化制御や制動#12539;駆動制御，サスペンション制御，EPS（電動パワーステアリング）のステアリング制御など他システムとの協調制御に関する研究が増えてきている．