近年,世界規模での環境保全への意識の高まりの中で,自動車生産における環境保全への取り組みは,環境報告書やPRTR(Pollution Release and Transfer Register:特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律)への対応などを通じ,非常に重要なものとなっている.自動車塗装工場は,自動車生産工場の中でも多量の環境負荷物質を排出しており,塗料に含まれているトルエン,キシレンなどの揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)や塗装ブース,焼付乾燥炉などのエネルギー消費により発生するCO{sub}2排出量の削減が急務となっている.これに対して,水性塗料やVOC燃焼方式に代表される従来の環境対応技術は,大幅なVOC排出量の削減は可能であるが,いずれもCO{sub}2排出量の増加を伴うものであった.そこで,VOCとCO{sub}2排出量を同時に削減し,さらに塗装コストも低減することをねらいに,環境にやさしい3ウェットオン塗装技術を開発したので,その概要を紹介する.
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