電力網と接続可能な車の台数予測手法の提案

摘要

二酸化炭素排出量規制等，内燃機関自動車に対する規制が世界中で広がりを見せる中，その解決手段として電気自動車の普及が進みつつある.現在内燃機関自動車の走行に使用されているエネルギーが電気化されることにより需要が増え，発電所の発電量を大きく増やす必要がある.しかし，発電所で使用する大型の発電機は需要に応じて直ちに供給量を変更することが出来ないため，ある程度計画された運転をしなければならない.需要に対して供給が追い付かない場合は大停電などの大きな社会問題を引き起こす可能性があるため，需要に対して余裕を持つた発電量にする必要がある.しかし省エネルギーの観点からは余裕はできる限り小さくすることが望ましい.その対策として太陽光発電を有効利用するために車載蓄電池を用いる研究が行われている.また総発電量が不足することだけでなく，電気自動車への充電により需要が急激に変化することで送電系統への周波数や電圧変化という送電系統の安定的な運用への影響も懸念されている.送電系統の問題への対応として，車載蓄電池を電力網に接続し電力供給量の最適化を図る研究や電力の質の安定化を図る研究が進められている.