都市路線パスの走行実態とシリーズハイブリッド方式の採用

摘要

運輸部門のエネルギー消費を抑制し環境負荷を低減するためには，旅客輸送をマイカーから路線バスなどの公共交通機関へ転換することが重要な対策の一つであるとされる．しかしバスの輸送量は長年にわたって減少傾向を示し，その原因としてはマイカーの普及などが挙げられるが，従来のパス車両は魅力に乏しい点があることも否めない．そこで路線バスが見直されるための一方策として，シリーズハイブリッド方式の採用について考察した．まず営業路線上の実車走行により特有の運転パターンを調査し，バス用のシリーズハイブリッドシステムを設定した．これを模擬した台上運転装置や充放電試験装置による実験を行い，路線寒行時の電力出入を計測した．そして蓄電装置の仕様や充放電損失の算定方法を検討し，設定したハイブリッドシステムのエネルギー効率を評価した．