塗膜の高速耐候性試験法

摘要

耐候性試験機の歴史は，耐光性を試験する装置から始まった．米国において，まだハリウッドはなく，シカゴが映画の都であった頃，ステージ用の照明としてカーボンアークランプが用いられていたが，カーテンや俳優の衣裳が退色（フェード）することをきっかけに，1919年カーボンアークランプ式フェードメータが開発された．これは，主に繊維製品の光による退色を評価する試験機として用いられた．光だけでなく，屋外環境にある水による劣化も考慮した最初の耐候性試験機は1934年に発売され，カーボンアークランプ式の試験機はその後30年以上，促進耐候性評価の主役であった．一方，ヨーロッパでは1954 年にキセノンランプ式の試験機が開発されて発展した．その後，さらに紫外線蛍光灯やメタルハライドランプを光源とした耐候性試験機が開発され，光源の異なる多種の耐候性試験機が用いられるようになった．