自動車を取り巻く諸情勢

摘要

2006年も，拡大を続ける世界経済の中で，資源·エネルギーに対する需要が急速に拡大した．8月には石油価格(WTI)が一時，78ドル／バレルをつけるなど，地球規模で工業化が進展する中で，世界の抱える有限な資源／エネルギーについて改めて問題点がクローズアップされた．米国などのエネルギー政策を受け，エタノールなど代替エネルギー用の穀物価格が上昇し，これまで相互に関係のなかったエネルギー価格が，食料などの物価に影響を与える歴史上初めての局面に差し掛かっている．また，世界的な異常気象や年末の暖冬など，地球温暖化が目に見える形で進み，一方で，2005年に発効した京都議定書については，現時点で具体的な達成の道筋がまったく見えないことから，早くもその達成が危ぶまれている．