界面活性剤の新型コロナウイルスへの効果

摘要

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により世界中で生活が一変，日本では欧米諸国に比ベて感染者，死亡者数は少ないものの数ヵ月ごとに感染者数が増減を繰り返し，制約を受けた生活が続いている。WHOによるパンデミック宣言や政府による緊急事態宣言に前後して国内では新型コロナウイルス感染防止対策として消毒剤，とくにアルコールの需要が急増し一般市場からアルコール製品がなくなる事態に陥ったのは記憶に新しいところである。当時は家庭やオフィス内のほか，商業施設や飲食店の営業再開にむけて生活環境のウイルス対策としての消毒剤の需要増は必至であり「当時比較的容易に入手可能な，アルコール以外の使えるもの」について公的機関から情報提供するベくNITE（製品評価技術基盤機構）が中心となって2020年4月に「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会（以下，検討委員会と記載する）」が発足し2020年6月25日までにさまざまな検討を行った上で検討委員会の最終報告および新型コロナウイルス対策に「有効な界面活性剤を含有するものとして事業者から申請された製品リスト」が公開されている（最新版は2021年3月26日）。