高性能e-Axleの開発

摘要

最近のEVパワートレインの動向として，モータ，インバータ，トランスアクスルを一体化したe-Axleの開発が活発化している．一体化することでエネルギー変換効率の向上，小型軽量化しやすいといったメリットが得られるからである．このことは電力量消費率を改善し，EV車の重要課題の一つである航続距離拡大に貢献することを示す．われわれは，独自の構成で出力密度，車両搭載性を向上させたe-Axleを開発した．具体的にはCセグメント車向け製品を想定し，市場トップクラスの出力密度とリア搭載時にも車内スペースを犠牲にしない低背化をコンセプトに諸元を決定し，モータ·インバータ·トランスアクスルの各コンポーネントの設計改善，総合性能評価に至る一連の開発を行った．本稿では，ユニット全体の高出力密度化がもたらす電費改善すなわち航続距離改善効果も交えて紹介する．