モビリティ·イノベーション について思うこと

摘要

近年，技術の進歩と社会の変革のスピードは速く，さまざまな場面でイノベーションが求められている．自動車技術を取り巻く環境においても，モビリティ·イノベーションの波にさらされていると思われる．筆者は，大学に赴任して研究室を開設して以来，モビリテイに関わる研究開発に携わってきた．当初は機械力学．制御工学を対象とした研究と教育がメインであったが，まさにモビリテイ．イノベーションの波にさらされて，研究対象，研究テーマ，ベースとなる学術領域はどんどん多様化し，大学独自の単独の研究から，企業との共同研究が主体となり，さらに，多くの研究者，研究室，研究グループと連携した国家プロジェクトへ展開してきた．その過程で，生産技術研究所の中でまず先進モビリテイ研究センターを立ち上げ，ITS（Intelligent Transportation Systems）を扱う研究組織を創設した．その後，現在の次世代モビリテイ研究センター，そして東大全学組織となったモビリティ·イノベーション連携研究機構に発展させた．