回転機の電磁界分布を求めるために有限要素法解析(Finite Element Analysis: FEA)が使われ始めたのは1970年代頃からである.FEAを用いて回転機の特性算定を行うと,鉄心における磁気特性の非線形性(磁気飽和)や,機内で発生しているすべての時間·空間高調波電磁界の影響を容易に考慮できるため,理論式や磁気回路などに基づく他の解析手法では得難いメリットがある.しかし当時はコンピュータの処理能力の制約から,現実的な計算時間や計算機資源で解くことのできる問題の規模は限られており,さらに何とかFEAの方程式を解いて電磁界を求めたとしても,そこから回転機のトルクや損失などを計算する手法が発展段階にあった.このため,上記のメリットを理解してFEAを用いる技術者.研究者は,あまり多くはなかったと考えられる.
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