54 食品技術者のための食の安全基礎知識: 8．機械の作られ方（4）鋳造·鍛造と熱処理

摘要

先月号ではさまざまな機械や機械部品の製造法の中で，プレス加工や絞り加工など，素材の塑性変形による加工法を取り上げた。今月号では，機械の製造法として，鋳造法と鍛造法について取り上げる。また特に鍛造法では，加工後に金属材質の調整を行うための熱処理を行うことが多い。そこで熱処理について解説をさせていただく。鋳造法とは，金属材料を炉で溶解し，これを鋳型に流し込んで固めて形状を作る方法である。作られたものは鋳造品ないし鋳物と呼ばれる。鋳物の言葉を聞くと，何となく安物感を思う人が多いようだ。それは製造が安価であり，また必ずしも機械強度が高くないからなのであろう。しかし鋳造品には，鋳造品なりの利点かあり，決して安物扱いすべきものではない。