‘甲州’と‘シャルドネ’を原料として 伝統的圧搾方法で調製した分画果汁の成分比較

摘要

我々は，伝統的製法による国産スパークリングワイン の高品質化に開する研究を行っている。特に，フラ ンス.シャンパーニュ地方のシャンパーニュ製造の推奨 法に基づいた実証試験を行ってきた。シャンパ一ニュ製造では，ブドウを圧搾して果汁を調 製する際に，必ず一番搾り果汁（シャンパ-ェュ製造では「キュベ」と呼ばれる）と二番搾り果汁（シャンパー ニュ製造では「タイュ」）に分画が行われる。調製し たキュベとタイュは，それぞれ別個にワイン醸造が行わ れる。キュべは主に酸度が高いことから，高品質なスパ ークリングワイン向けの原料となるワインが製成される。タイュから製成されるワインは，キュベよりもフルーティではあるが，酸度が低いことに起因してやや品質の劣 るものと見なされている。その上で，高級な（高価格帯 の）製品は基本的にはキュベからのワインのみを原酒ヮ インとして二次発酵が行われその製造が行われる。一方 で，スタンダードな（低価格帯の）製品は，二次発酵前