暑い熱をガラスで止める省エネスプレーガラスコーティング: 窓ガラスを透明な日傘にする技術: 窓ガラスを透明な日傘にする技術

摘要

世界中で異常気象の前兆が発生している．大量生産·大量消費，豊かな生活を追い求めた結果，CO_2が大量に放出され，地球の温暖化は深刻化している．化石燃料に代わるエネルギーの開発が急務であるが，エアコンなしの生活はできないという現実に，私たち人類は直面している．今まで誰もが暑い時は空調に頼ってきたが，この暑さに対し大きく影響しているのは太陽の日差しである．夏の外気温が40℃の日でも，日傘をさすと太陽光は体表面に当たる前に日傘で熱へと変わるため，人は涼しく感じる．この例に発想を得て開発された，窓ガラスを透明な日傘にする省エネ技術を紹介する．本技術は，タッチパネルなどに使われる熱を吸収する半導体技術を窓ガラスのコーティングに応用しており，夏季の太陽の暑い熱の室内侵入を防ぎ，空調に頼らない環境を作ることができる．そのような意味で本技術はエネルギーを使わずにCO_2の半永久的な削減に貢献する省エネルギー技術である．従来の省エネガラスは光の反射を利用したものが主であるが，その欠点としてこのタイプの省エネガラスを利用したビルが多い都市では反射熱が消えず，夕方になると雷が鳴りアフタヌーンレインが降るヒートアイランド現象の原因の一つとなる．またガラスを二重三重にしても光の熱は防ぐことはできない．一般的なガラスは反射率8%であるが本コーティングにより反射が6.7%に減り従来のガラスの欠点をさらに克服している．ガラスに対して塗装した場合，紫外線を約90%カット，赤外線を約70%カットでき，フィルムが貼れない金網ガラスや，屋内外問わず施工できる特徴を持つ．4658m~2に使用した美術館の事例では，年間のエネルギー使用の18%にあたる2198 323kWhの省電力を達成した．