フグ食中毒発生時のおう吐物および尿中からの テトロドトキシンの検出

摘要

フグによる食中毒は死亡率が高いことから，その未 然防止対策および発生時の迅速な原因究明は食品衛生上き わめて重要である.国内では，この10年間（平成24年~ 令和3年）に184件発生し，253名に中毒症状が認められ た.症状は，食後20分から3時間程度の短時間でしびれ や麻ひが現れ，麻ひは口唇から四肢，全身に広がり，重症 の場合には呼吸困難で死亡することがある.毒成分はテト ロドトキシン（TTX)であり，強力な神経毒である.