音階構造の異なる音列によるMMF比較

摘要

本研究では、長音階でできた音列の認識および調性構造が定まらない音列の認識の違いについて調べるため、音列中の楽音変化による脳磁界(MEG)のミスマッチ反応(MMF)についてMEG計測により比較検討を行った。 Krumhanslらの研究から八長調を構成する6音の音列と、この音列の一部を変化させ調性を定めにくい音列を作成し、それぞれの音列を被験者に繰り返し提示し誘発MEGを平均加算で求めた。 その際0.2-0.25の確率で第6音を変化させMMFを求めた。 MMF比較を行ったところ、調性を定めにくい音列聴取時のMMFの方が小さい傾向が見られ、調性構造が音列認識を容易にすることが脳活動上に現れたものと考えられる。