脱炭素化にむけた航空機·エンジン電動化システムの役割

摘要

社会の最終エネルギー消費を電力·運輸·熱で区分すると，電力は低炭素排出1次エネルギー利用を拡大するためCO_2は減少，運輸はモビリティのネットワーク化による高効率化と電動化による脱炭素化が進み，熱源も燃焼からヒートポンプへ変革し効率は大幅に改善する。一方で，旅客機輸送は2050年に向けて大幅に増加すると予測され，従来の燃費改善ペースにとどまると，絶対量だけではなく，地球上で排出されるCO_2に占める航空機の相対的な割合が，顕著に増加すると想定される。IHIでは，旅客機の脱炭素化をゴールに見据えて，航空機·エンジン電動化システムの実用化研究を行っている（Fig.1）。本解説では，国際的な脱炭素航空機の動向と共に，IHIの技術開発について述べる。