スマート化する設備管理－予知保全はどこまで可能なのか（4）·予兆監視診断のスマート化

摘要

化学プラントをはじめとする生産システムの操業においては，運転管理や設備管理·安全管理が不可欠であることは言うまでもない。これまでも，運転·操業が大きく変動する前にプロセスの異常を早期に検出してその原因を診断したり，計器や機器の正常·異常を判断したりするための手法が数多く開発され活用されてきた。もっとも単純には，温度や圧力，流量などの状態量にそれぞれの上下限値を設定して，その設定値を逸脱した場合に発報する方法が用いられている。ほかにも様々な手法の開発が続けられてきており，多変数を同時に監視する方法やダイナミックスを考慮した方法などへと展開されてきた。最近では，さらに異常の兆候を早めにとらえることを主な目的として「予兆監視」が積極的に取り組まれている状況である。