酸素を添加した水素雰囲気中におけるNi基合金の高温酸化挙動

摘要

現在，地球温暖化が大きな問題となっている。これは石炭火力発電などの電力プラントから排出される温室効果ガスが原因である。温室効果ガスの排出を抑制するためには化石燃料に依存しない発電方法の確立が必須である。そこで現在，再生可能エネルギーである風力発電が注目されている。しかし，再生可能エネルギーである風力発電は電力供給において天候に左右される。したがって，需要と供給のバランスを保つためには，電気エネルギーではなく利用しやすいエネルギーに変換する必要がある。そこで風力発電による電力を利用した電気分解により水素を製造し，化学エネルギーである水素を利用した社会の確立が進められている。そして，電力プラントのガスタービン発電に水素を用いることによって脱炭素を達成することができる。しかし，水素を燃料としてガスタービンを稼働させた場合の材料の耐環境性については調査がなされていない。